読売新聞社は、第61回読売文学賞(平成21年度)を発表し、戯曲・シナリオ賞については鴻上尚史「グローブ・ジャングル『虚構の劇団』旗揚げ3部作」(小学館)が選ばれた。
読売文学賞は、戦後の文芸復興の目的で昭和24年に読売新聞社が創設し、小説、戯曲、評論・伝記、詩歌俳句、研究・翻訳の5部門について前年の最も優れた作品に授賞するもの。第19回から随筆・紀行を加えた全6部門となり、第46回から戯曲を戯曲・シナリオ部門に改めている。
今回、戯曲・シナリオ部門に選ばれた鴻上尚史「グローブ・ジャングル『虚構の劇団』旗揚げ3部作」は、第三舞台の活動休止後に、鴻上が若い役者たちと旗揚げした劇団、虚構の劇団の旗揚げ準備公演『監視カメラが忘れたアリア』をはじめ、『リアリティ・ショウ』『グローブ・ジャングル』の3作を収録した戯曲集。なお、『監視カメラが忘れたアリア』は、同劇団の第4回公演として2月5日〜21日まで座・高円寺1で再演されることが決まっている。
戯曲・シナリオ部門以外の受賞作は以下の通り。
◆小説賞 高村 薫「太陽を曳く馬」(新潮社)
◆随筆・紀行賞 堀江敏幸「正弦曲線」(中央公論新社)
◆評論・伝記賞 湯川 豊「須賀敦子を読む」(新潮社)
◆詩歌俳句賞 河野道代詩集「花・蒸気・隔たり」(panta rhei)
◆研究・翻訳賞 丸谷才一訳 ジェイムズ・ジョイス「若い藝術家の肖像」(集英社)
贈賞式は18日午後6時から、東京・内幸町の帝国ホテルで行われ、受賞者それぞれに正賞の硯(すずり)と副賞200万円が贈られる。
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