英ガーディアンなどが伝えたところによると、英国の劇作家で、2005年にノーベル文学賞を受賞したハロルド・ピンターが24日死去した。妻で作家のアントニア・フレーザーが明らかにした。78歳。
ハロルド・ピンター(Harold Pinter)は1930年10月10日、ロンドン東部のハックニーで、ユダヤ系ポルトガル人の労働者階級の両親のもとに生まれた。1951年に舞台俳優となった後、1957年に戯曲「部屋」で劇作家に転身。同年の「ダム・ウエイター」や「バースデイ・パーティ」、64年「帰郷」などで、現代英国を代表する劇作家として認められるようになった。「フランス軍中尉の女」などの映画台本も手がける一方、反戦思想の論客としても活動を展開し、NATOによるユーゴスラビア空爆やアメリカによるアフガニスタン空爆に抗議。「抑圧された物事の本質を示した」としてノーベル賞を受賞した。ブッシュ政権によるイラク侵攻をナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーに例えたり、ノーベル賞の受賞記念スピーチで英国のブレア政権のアメリカ追随を非難して話題を呼んだ。 この公演の内容などは、「何も起こりはしなかった?劇の言葉、政治の言葉」(集英社新書)
で読むことが出来る。
夫人で伝記作家のアントニア・フレイザーは、英紙ガーディアンとのインタビューで「33年間余りの人生をともに過ごせたことを名誉に思う」と話した。
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