新国立劇場運営財団は、2009/2010年シーズンの主催公演のラインナップを発表した。演劇部門では、既に発表済みの鵜山芸術監督が演出するシェイクスピア『ヘンリー6世』3部作連続上演のほか、井上ひさしの東京裁判三部作の再演、さらに注目作としては稲垣吾郎主演、深津篤史演出で、別役実の代表作『象』を上演する。
2009年10月からスタートする新国立劇場演劇部門の2009/2010シーズンは、昨年大きな波紋をなげかけた芸術監督鵜山仁の任期最後の1年。そのため、新国立劇場では演劇部門のみ異例ともいえる形で、09/10シーズンのオープニングシリーズとして鵜山自身の演出でシェイクスピアの『ヘンリー6世』3部作を連続上演することを昨年11月に発表していた。
芸術監督最後に鵜山がシーズン全体のテーマに掲げるのは「人はなぜ戦うのか」。人類にとって永遠の命題ともいえるこのテーマの下、『ヘンリー6世』3部作とともに、連続公演の形で再演されるのが2001年から井上ひさしが新国立劇場で発表してきた東京裁判三部作−『夢の裂け目』『夢の泪』『夢の痂』。
このほかに注目される作品としてはSMAPの稲垣吾郎主演、深津篤史演出で、上演される別役実の代表作『象』。ほかの出演者に大杉 漣、神野三鈴、羽場裕一、奥菜 恵という顔ぶれが揃っており、一般マスコミの注目度ではこの公演が一番大きなものになりそうだ。『動員挿話』で高い評価を受けた深津が、稲垣や奥菜を使ってどんな舞台を作るのか注目される。
また新作としては蓬莱竜太が70年代安保の時代を舞台にした書き下ろし作品を、鈴木裕美の演出で上演する。
■新国立劇場2009/2010シーズン 演劇部門ラインナップ
2009年10月〜11月 ヘンリー六世 第一部 『百年戦争』
2009年10月〜11月 ヘンリー六世 第二部 『敗北と混乱』
2009年10月〜11月 ヘンリー六世 第三部 『薔薇戦争』
2010年3月 『象』
2010年4月 『夢の裂け目』
2010年5月 『夢の泪』
2010年6月 『夢の痂』
2010年7月 『蓬莱竜太書下ろし作品』
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