第53回岸田國士戯曲賞の選考会が1月26日(月)、東京神楽坂・日本出版クラブ会館で行なわれ、蓬莱竜太『まほろば』と本谷有希子『幸せ最高ありがとうマジで!』が受賞作と決まった。
蓬莱竜太は1976年生まれ。1999年に俳優の西條義将とともにモダンスイマーズを立ち上げ、座付き作家・演出家として活躍。
受賞作の『まほろば』は、昨年7月に新国立劇場で企画された若手劇作家と中堅演出家の組み合わせによる”シリーズ同時代”の第3弾として栗山民也の演出で上演された作品。
本谷有希子は1979年生まれ。ENBUゼミナールの松尾スズキクラスに入り、卒業公演で初めて劇作を行い、2000年「劇団、本谷有希子」を旗揚げ。主宰として作・演出を手掛ける。
受賞作の『幸せ最高ありがとうマジで!』は、昨年10月にパルコ劇場のプロデュース公演として、本谷の作・演出、永作博美主演で上演された作品。
選考委員のひとり、井上ひさしは蓬莱竜太『まほろば』について、「「妊娠」というものに主題を定め、豊富な劇作手法をたくみに駆使しながら、社会や家庭などにまぎれこんでいる男性的なものをみごとに撃った。」と評し、本谷有希子『幸せ最高ありがとうマジで!』については、「「明るい人格障害」という新しいキャラクターを創出し、家族や社会に内蔵されている「なれあい」「こずるさ」「お体裁」などを痛快に狙い打った」と述べている。
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