第16回読売演劇大賞(読売新聞社主催)の最終選考が行われ、4日に発表された。大賞・最優秀作品賞には、新国立劇場制作の日韓共同制作の作品『焼肉ドラゴン』が選ばれた。
グランプリに選ばれた『焼肉ドラゴン』は、新国立劇場が平田オリザ作『その河をこえて、五月』に続いてソウル・芸術の殿堂との共同制作で上演した作品。在日三世の鄭義信が自身の体験を踏まえて書いた戯曲を、鄭と韓国人演出家・梁正雄が演出した。出演者も映画・舞台の第一線で活躍する韓国俳優陣を招き、新国立劇場での初演の後、ソウル芸術の殿堂で韓国公演も行われた。同作品は、作・演出の鄭義信が紀伊國屋演劇賞に、作品としては鶴屋南北戯曲賞、朝日舞台芸術賞を受賞、また韓国では「韓国演劇評論家協会の選ぶ 2008年 今年の演劇ベスト3」、「韓国演劇協会が選ぶ 今年の演劇ベスト7」を受賞している。
このほかの受賞者は以下の通り。
- 最優秀男優賞=平 幹二朗(『リア王』『山の巨人たち』)
- 最優秀女優賞=宮沢りえ(『人形の家』)
- 最優秀演出家賞=サイモン・マクバーニー(『春琴』)
- 最優秀スタッフ賞=謝 珠栄(『AKURO』の振り付け)
- 杉村春子賞=中村勘太郎(『仮名手本忠臣蔵』の演技)
- 芸術栄誉賞=TPT
- 選考委員特別賞=中村吉右衛門(『逆櫓』『大老』の演技)
受賞者には、正賞は佐藤忠良氏制作のブロンズ像「蒼穹(そうきゅう)」、副賞は大賞・最優秀作品賞に200万円、その他の最優秀各賞、杉村春子賞、芸術栄誉賞、選考委員特別賞に100万円が贈られる。贈賞式は2月26日、東京の帝国ホテルで行われる。
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