Noism20 周年記念公演「Amomentof」「セレネ、あるいは黄昏の歌」記者会見

Noism芸術総監督・演出振付家の金森穣
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りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館の専属舞踊団 Noism Company Niigataは、設立20周年記念公演『Amomentof』『セレネ、あるいは黄昏の歌』の記者会見を4月19日本拠地のりゅーとぴあで行った。

Noism Company Niigata(以下、Noism)は、モーリス・ベジャールに師事した演出振付家、舞踊家の金森穣が、帰国後に2004年4月りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督に就任し、日本初となる本格的な劇場専属舞踊団として設立された。プロフェッショナル選抜メンバーによる Noism0(ノイズムゼロ)、プロフェッショナルカンパニーNoism1(ノイズムワン)、研修生カンパニーNoism2(ノイズムツー)の3つの集団があり、国内・世界各地からオーディションで選ばれた舞踊家が新潟に移住し、年間を通して活動。新潟市のりゅーとぴあで創った作品を国内外で上演し、国際活動部門は新潟から世界に向けてグローバルに活動を展開。また地域活動部門では市民のためのオープンクラス、学校へのアウトリーチをはじめとした地域に根ざした活動も行っている。

今年、創立20周年の記念公演で上演されるのは『Amomentof』『セレネ、あるいは黄昏の歌』のダブルビル。『Amomentof』はNoism0、Noism1、Noism2総出演による作品で、音楽にはマーラーの交響曲第3番第6楽章「愛が私に語ること」を使用。一方、『セレネ、あるいは黄昏の歌』は昨年春に上演された『セレネ、あるいはマレビトの歌』に続くギリシャ神話の月の女神セレネをモチーフとしたシリーズの第二弾で、映画音楽の作曲家として活躍するマックス・リヒターが再構成したヴィヴァルディの「四季」を用いる。こちらはNoism0、Noism1が出演する。

記者会見にはNoism芸術総監督・演出振付家の金森穣、国際活動部門芸術監督の井関佐和子、地域活動部門芸術監督の山田勇気らが出席した。

Noism国際活動部門芸術監督の井関佐和子
Noism国際活動部門芸術監督の井関佐和子

会見の冒頭、国際活動部門芸術監督の井関佐和子は今回の公演について「20年で1番重要なことは、私たちが毎年りゅーとぴあで作品を創作・発表し、観客の皆様が劇場に足を運んでくださってるということ。20年経って、観客の皆様の感受性の豊かさ、1人1人違うということを改めて感じている。お客様が毎年毎年見に来てくださって、今までのものを見せるのではなく、次は何を作るんだろう、それに対して観客の皆様がどう反応するんだろうということに私自身興味がありますし、これからNoismが飛躍していくためにはすごく重要なことだと思い、今回穣さんには 今現時点で作りたいものを作ってくださいと言いました」と紹介。

これに対して金森は、「今話があったように、好きなように作ってくれということが彼女からもらったテーマなんですが、何もテーマのないところからものなんて作れないんです。ですから『Amomentof』はマーラーの音楽を聴いていた時に、その音楽から私が感じる舞踊とは何かっていうものを、井関佐和子という1人の舞踊家を通して舞台芸術として顕現させたい。『セレネ、あるいは黄昏の歌』は、情報技術の恩恵、利便性によって忘れているもの、人間とは何かといったものを軸に集団として表現したい。そこには『Amomentof』と同様にNoismとして20年の歩みの中で模索、実験、蓄積してきた身体性が総動員されている」と新作にかける想いを語った。

また、Noismメンバーが総出演する『Amomentof』には研修生カンパニーであるNoism2のメンバーも出演する。Noism2を率いる地域活動部門芸術監督の山田勇気は、「Noism2は、研修生カンパニーとして2009年に発足して、主に地域の学校公演や地域のイベントに参加したりするような活動をして、基本的には新潟から出ることはないんですが、今回20周年記念公演ということで、Noism0、1と一緒に本公演に出演します。いつもNoism2はアンダースタディで練習とかもしているんですが、今回は裏ではなく表舞台に立つということで、Noismカンパニーの全体の層の厚さが表現できたら嬉しいなと思っています」と抱負を述べた。

地域活動部門芸術監督の山田勇気
地域活動部門芸術監督の山田勇気

また、井関が「20年前にNoismができた時には、ここにいたメンバーではまだよちよち歩きだった人たちもたくさんいると思う」と語ると、記者から若手としての感想を求められたNoism1メンバーの三好綾音(みよしりお、1997年生まれ)は「20年前っていうのは、ほんとに、私も5歳とか6歳とかで、バレエの一番とか習ってた頃。その頃は海外で働いてる先輩方とか、海外の劇場に働きに行く友人に憧れた時期もありましたけど、今、日本の劇場で自分が働けているっていうことは、すごく誇りなんですね。海外の方に憧れていた夢よりも、もっと素敵な夢というか、そういうものを20年かけて作ってきてくださった、というのが、この20周年に対する自分の視点です。だから、公演は本当にその想いを全部載せて、いいものにしたいです」と意欲を語った。

Noism1メンバーの三好綾音
Noism1メンバーの三好綾音

Noism Company Niigata 20周年記念公演「Amomentof」
2024年6月28日(金)~2024年6月30日(日)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場

2024年7月26日(金)~2024年7月28日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

『Amomentof』
出演:Noism0、Noism1、Noism2
演出振付:金森穣
音楽:マーラー「交響曲第3番第6楽章『愛が私に語ること』」

『セレネ、あるいは黄昏の歌』
出演:Noism0、Noism1
演出振付:金森穣
音楽:マックス・リヒターの再構成によるヴィヴァルディ「四季」


『セレネ、あるいは黄昏の歌』前沢ガーデン公演
2024年5月18日(土)・2024年5月19日(日)
富山県 前沢ガーデン野外ステージ

Noism20 周年記念公演「Amomentof」「セレネ、あるいは黄昏の歌」の公演情報はこちらから=>

Noismのメンバー
記者会見に臨んだNoismメンバー

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